さあどうしよう?と考えていても仕方ないので、修復完成までの流れを把握して修復計画を立ててみました。
1.今現在の装飾品、梁や桁の組み合わせなどの資料データを集める。
2.修復箇所、欠損部品、修復資材などの検討。
3.細部部品に至るまでの解体。
4.洗い出し。
5.修復作業。
6.組み立て。
7.彩色。完成。
塗りについては、検討の結果全般は「墨」であるが、一部「漆」が使ってある。現時点では現状通りの修復予定。 |
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現状ではっきりと形が残っている全ての部分をカメラに収めました。これで細部まで分解しても、現状復帰は可能でしょ。そう思うといくらか気が楽になりましたね。
全部を一度に取りかかると厄介だと思い、厨子を3つのパートに分けてそれぞれが修復完了した時点で、次のパートの修復をしていくことにした。
3つのパートとは1.小屋組、2.桁周辺、3.本体として、始めに一番パーツの多い2.桁周辺の修復に取りかかった。 |
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小屋を受ける部分(上部写真)を分解していて、驚いた!予想はしていたものの、10以上のパーツが絶妙に組み合わさって、小屋を受けているのである。それらは10oに満たない小さなダボで繋がっているだけです。
これら一つ一つが重なり、組み合って重い小屋を受け止めているのである。 |
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分解していくと、ネズミにかじられたり、虫食いがひどかったりして欠落した部品がほとんどでした。それをきれいに洗い出し(ホウ酸水などで洗う)して、乾燥後にパテ埋めや、新しく接ぎ木して修復していった。 |
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