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○木は温かいの? |
1.触感としての暖かさ
熱伝導率なんてものを考えてみると、これは温度が1℃上がったとするとき、1秒間に1平方メートルの面積を1メートルに渡って流れる熱量で表すそうだ。って分かりにくいので単純比較してみると、、
木材の熱伝導率 → 0.1W/平方メートル℃
ガラスの熱伝導率 → 0.8W/平方メートル℃
モルタルの熱伝導率 → 1.3W/平方メートル℃
鋼材の熱伝導率 → 45W/平方メートル℃
こうやって身近な材料を比較してみると、木材がいかに熱を通しにくいかよく分かりますね。
木材の熱が伝わる速さはガラスの1/8、モルタルの1/13、鋼材に至っては1/450にもなるのだ。そう言えば鍋やフライパンの柄や取っ手、サウナの内装など人が直接肌に触れる部分は木材が使われています。
室内などに置かれた製品を手で触ってみると、手の皮膚温度が高いので熱は手から逃げる形で移動していきます。木材と金属製品を比較すると木材の方が熱を伝えにくいので、手から失われる熱が少ないために温かく感じられると言うわけです。
2.見た目の暖かさ 赤や青、黄などのいろの感じを色相といいますが、木材の色相は、赤から黄までの範囲なんですわ。心理的にこの色相は温かく感じられる範囲のようです。
また、室内を例に取ると、木材が占める割合が増すと暖かいイメージの程度が増し、コンクリートの占める割合が増すと冷たい、暗いイメージの程度が増してくるという心理結果があります。
このことの裏付けとして「目に優しい*@」事と「ゆらぎ*A」が関係しているようです。
*@/木材の表面には細胞が切断されてできた凹凸がある。木材に入射した光は、この凹凸によって散乱され、その程度が入射した方向によって異なるため、木材特有の質感が現れる。また、木材特有の光沢は、切断された細胞の内側の小さな凹面からの光の反射によって生じる。木材からの反射光には、紫外線が少なく、赤外線がかなり多いので、木材からの反射光は、目にやさしい。
*A/木材の色には濃淡があり、木目模様には、微細なオーダーから巨視的オーダーに至る種々のパターンが含まれる。木目の幅や色の濃淡は、全く規則的でもなく、不規則でもなく、適当にゆらいでいる。この「ゆらぎ」が、自然で快い感じを与える。
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