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○木は呼吸しているの? |
木材が呼吸していると言われるのは、木の持つ「吸脱湿(調湿)機能」や「通気性」といった物理現象を比喩した言葉ですね。
もちろん木材が自分の意志で湿気を吸い、乾燥したら自らの水分を吐き出している訳ではないですわね^^;
建築材料や家具に使う木材は、ある程度乾燥させて木材中の水分を抜いてしまいます。こうしておかないと木材の割れやねじれ、反りなどの変形が出てきます。家具の木材は含水率14%がベスト、と申します。まぁ実際には含水率だけの事では無いのですが・・・
で、木材の中に水分がほとんど無くなったとき(平衡含水率条件に達した時)、初めて水分を吸ったり吐いたりできるんです。この状態の木材の中を見てみると、細胞が死んで、その死んだ細胞の中の水分がほとんど無くなった時、、、ですから^^;
つまり、木材が水分を吸ったり吐いたり(吸着、離脱)をしない平衡含水率は15%前後ですから、ある温度下に置いた木材がこの平衡含水率に達するまで、水分を吸ったり吐いたり(吸着、離脱)を限りなく続ける訳です。
ここで平衡含水率になるまでの、木材内の水分の乾燥を追ってみると、二つの水分が木材にはあるということに気が付きます。
一つは、木材の小さな(マクロ的)隙間に存在する「自由水」と呼ばれる物。もう一つは木材の細胞壁などの細胞と化学結合した「結合水」とがあります。
通常の生材を乾燥させた場合、含水率30%位までは「自由水」だけが放出されていきます。この段階で「自由水」はほとんど無くなります。そして乾燥が進んで含水率が30%以下(繊維飽和点以下)に達すると、細胞壁中の「結合水」が除去されはじめます。
こうして徐々に平衡含水率15%になった木材は、この含水率に留まろうとしますから、15%以下なら水分を取り込み、15%以上になったら放出するという現象になります。こういう現象をあたかも木材が呼吸しているように思えるのでしょうね。
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